
塗るだけでムダ毛処理ができる除毛クリームは、どのような仕組みで毛をカットしているのでしょうか?
また、塗るだけでムダ毛がなくなってツルツルになるなんて、お肌への刺激はないのでしょうか?
この記事では除毛クリームの仕組みとメリット・デメリット、またその主成分や安全性について紹介しています。
最後まで読んでもらえると「除毛クリームってどんなものなの?」という疑問がスッキリと解消できます。
除毛クリームの仕組みとは?

まず初めに除毛クリームとはどのようなものなのでしょうか?
クリームで毛を取り除く仕組みと、その他の効能など除毛クリームの基本情報を説明します。
ムダ毛の主成分「たんぱく質」を溶かす作用
除毛クリームはムダ毛の主成分である「たんぱく質」を溶かすことにより、ムダ毛を除毛する仕組みになっています。
たんぱく質を溶かすのは除毛クリームに含まれる「チオグリコール酸カルシウム」という成分です。
もう少し詳しく説明すると、毛はたんぱく質であるケラチンが結合することで形成されていて、除毛クリームはこの結合を切断することで除毛する仕組みになっています。
つまり、たんぱく質の結合を切断するという働きが、毛を溶かすという表現になっています。
脱毛クリームや脱毛スプレーの主成分にはたんぱく質を溶かす「チオグリコール酸カルシウム」が含まれています。
シスチン結合と呼ばれる結合を切断する働きを持っていて、毛に含まれるタンパク質の組織を破壊することで毛を溶かして除毛効果を得ます。
除毛後のお肌を保湿成分で労わる
除毛クリームには保湿効果などがある美容成分が配合されており、除毛後のお肌を労る仕組みになっています。
毛を溶かす「チオグリコール酸カルシウム」は皮膚までは溶かさないけれども、お肌への刺激や負担はあります。
除毛後のお肌が荒れないように保湿効果や美容成分が大切です。
除毛クリームに配合されている保湿成分は以下のようなものがあります。
- 尿素
- ヒアルロン酸
- シアバター
- アロエエキス
- カモミールエキス
これらの成分が除毛後のお肌に潤いを与えてくれます。

お肌が弱い人は敏感肌用や美容成分を大きく謳っている除毛クリームを選ぶのがおすすめです。
除毛クリームと脱毛クリームの違いとは?
除毛クリームを調べていると脱毛クリームという言葉も出てきますが、この2つは同じです。
除毛クリームも脱毛クリームも毛を溶かしてムダ毛を処理するものなので、どちらも同じ効能がある商品です。
ただ、厳密に言うと脱毛は毛を根元から引き抜いて処理することなので、除毛クリームという呼び方の方が正しいです。
・「脱毛」と「除毛」の違い
「脱毛」とは、毛を毛根から取り除くことです。
それに対して「除毛」とは、皮膚表面の毛を一時的に取り除くことを意味します。
ドラッグストアやネットで販売されている医薬部外品のムダ毛処理用クリームは脱毛クリームではなく除毛クリームと呼ばれています。
ちなみに「脱毛」という名称がつく商品としては脱毛シートや脱毛ワックスなどがあり、これらは毛を根元から抜いてしまう商品なので脱毛という呼び方で合っています。

脱毛シートや脱毛ワックスは毛を抜いてしまうので、除毛クリームよりも痛みを伴うのが大きなデメリットですね。
除毛クリームの6つのメリット

(1)自宅でセルフでできる
除毛クリームは自宅でセルフで使えるのが大きなメリットです。
「ムダ毛処理がしたい!」と思い立ったらすぐに使うことができますし、お風呂で使えば後片付けもとっても手軽です。
背中など手が届かない部分以外は自分でこっそりと使えるのも良いですね。
(2)1回でツルツルになる即効性
除毛クリームは正しく使えば1回でしっかりと除毛できてツルツルになります。
この即効性が除毛クリームの大きなメリットです。
プールや海に行くなど肌を露出するイベントが急に入っても、除毛クリームがあれば心配なしです。
(3)短時間で使える手軽さ
除毛クリームはムダ毛処理したい箇所に塗って5〜10分程度放置した後に拭き取って洗い流すだけの手軽さです。
だから足と腕に使っても15分もあればムダ毛処理完了です。
待ってる時間はテレビを見たり本を読んだり好きなことができます。
この手軽さも除毛クリームのメリットです。
(4)繰り返し使っても黒ずみができにくい
除毛クリームは繰り返し使用してもお肌に黒ずみができにくいメリットがあります。
セルフでできるムダ毛処理と言えば「カミソリで剃る」のが代表的な方法ですが、カミソリはお肌への刺激が大きいことが難点です。
繰り返しカミソリを使っていると、皮膚が荒れたりバイ菌が入りやすい状態のお肌になります。
これが黒ずみの原因になります。
そこで除毛クリームならカミソリのようにお肌を傷つけにくいので、黒ずみもできにくくなります。
(5)伸びてきた毛がチクチクなりにくい
除毛クリームはカミソリやシェーバーに比べて伸びてきた毛がチクチクなりにくいという特徴があります。
カミソリやシェーバーはムダ毛をカットするので、処理後の毛の断面が大きくなります。
一方で除毛クリームは毛を溶かして除毛するので断面も小さくなり、生えてきた毛もチクチクしにくくなります。
ムダ毛処理後のチクチク感が嫌いな人にも除毛クリームはおすすめです。
(6)太い毛も処理しやすい
除毛クリームは太い毛も処理しやすいのがメリットです。
毛を溶かして除毛するので太い毛にも効果的です。
特に男性用の除毛クリームは太くて硬い毛も除毛できるよう開発されています。
太い毛もしっかりと処理したい人は男性用の商品を使うのがおすすめです。
除毛クリームの3つのデメリット

(1)永久脱毛ではないので継続的に使う必要がある
除毛クリームは脱毛ではありませんし、もちろん永久脱毛でもありません。
皮膚の表面の毛を一時的に取り除いているだけなので、しばらくすると新しい毛が生えてきてしまいます。
だから1回使って終わりではなく、週に1回くらいの頻度で使わなければなりません。
除毛クリームは脱毛サロンなどに通うのと比べると圧倒的に手軽なのですが、継続的に使用しなければならないというデメリットがあります。
(2)配合成分によっては肌に合わない商品も
除毛クリームは保湿成分や美容成分などお肌を労る成分が配合されている商品が多いのですが、やはり毛を溶かして除毛するので肌への刺激も少なくはありません。
だからお肌が弱い人や敏感肌の人が使うと、肌に合わずに肌荒れなどを引き起こしてしまうケースもあります。
ひどくなると皮膚科などで治療が必要になるかもしれません。
初めて除毛クリームを使う時は必ずパッチテストを行うことや、敏感肌用の極力お肌に優しい商品を選ぶことにも注意しなければなりません。
(3)顔やVIOに使えない商品が多い
除毛クリームは体の全ての部位に使える訳ではありません。
顔やVIOなどのデリケートな部分には使えない商品も多くあります。
もし顔やVIOへの使用を考えているなら、必ず商品を選ぶ時に使えるかどうかをチェックして購入しましょう。
除毛クリームの主成分チオグリコール酸カルシウムの危険性とは?

除毛クリームの主成分で毛を溶かす作用があるチオグリコール酸カルシウムですが、お肌への影響はどれほどのものなのでしょうか?
ここからはチオグリコール酸カルシウムの危険性と安全面について説明していきます。
美容室のパーマ剤にも使われている成分
チオグリコール酸カルシウムは美容室などで使用されているパーマ剤にも含まれていいます。
パーマ剤には1液と2液があり、1液の方にチオグリコール酸カルシウムが使われています。
1液のチオグリコール酸カルシウムで髪の毛を柔らかくしてクセをつけて、2液で再度たんぱく質を結合させて固めるという仕組みです。
パーマ剤と聞くと刺激が強いというイメージを持つ人も多いと思いますが、確かに同じ成分です。
厚生労働省の認可済みだが注意が必要
チオグリコール酸カルシウムは医薬部外品として厚生労働省の認可を受けている成分です。
またプロ仕様のものだけでなく家庭で使える除毛クリームにも使われていることから、危険性はそれほど高くはないと言えます。
ただし、誤った使い方をしたり、体質によってはお肌に異常が出る場合もありますので注意が必要です。
除毛剤の使用による顔などの皮膚障害に注意! ‐使用部位を確認し、1回分を購入して肌に合うか試してから使いましょう‐
引用元: 独立行政法人国民生活センター
除毛クリームで起こる肌のトラブルと副作用
除毛クリームの使用で起こりやすい肌のトラブルや副作用は以下のような症状です。
- ヒリヒリとした痛み
- 赤み
- かぶれ
- かゆみ
些細なことでもお肌に異常を感じたら除毛クリームの使用をストップして、症状が進行するような場合は皮膚科で診てもらいましょう。
また、ケガをしている部分や、腫物、湿疹、ただれ、その他炎症を起こしている部分への使用は絶対に止めましょう。
除毛クリームの仕組みを理解して正しく安全に使いましょう
この記事では除毛クリームの仕組みと安全性について紹介してきました。
除毛クリームで毛の処理ができる仕組みと注意すべきポイントが理解できたと思います。
除毛クリームは正しく使うことで、簡単で手軽にムダ毛処理ができる便利なものです。
ぜひ除毛クリームを活用してツルツルで綺麗なお肌を手に入れましょう。